【台湾のたくあん】菜脯(ツァイポー)

台湾には、菜脯(ツァイポー)と呼ばれる漬物があります。

菜脯(ツァイポー)は、日本の『たくあん』にとても近い漬物です。
菜脯(ツァイポー)とは
菜脯(ツァイポー)は、台湾におけるたくあんです。
台湾・福建省・広東省潮州市が発祥の地

中国の南東部に位置する台湾をはじめ、台湾の近隣の中国の一部で今でも作られています。
大根は野菜の中では比較的、どの地域でも生育しやすい性質があり、多くの国・地域で栽培されています。
そのため、台湾でも生育しやすく、キャベツやタケノコなどと同様に多く栽培される野菜の一つとして大根があります。
特に台湾の南部は、冬でも雨が少なく、日照時間が長いため、菜脯(ツァイポー)作りに適している土地です。
菜脯(ツァイポー)は大根の漬物
菜脯(ツァイポー)は、干し大根を使用した伝統的な漬物です。
味としては、日本の「たくあん」に似ていて、歯ごたえもあります。
菜脯(ツァイポー)作りに使う干し大根は、台湾では蘿蔔乾(ルオポーカン)と呼ばれます。
蘿蔔乾(ルオポーカン)は切り干し大根
中国の菜脯(ツァイポー)に使用する蘿蔔乾(ルオポーカン)は、白首大根を使用します。
白首大根の葉を切り落として、四つ割りにしたり、短冊状に切ったりして、大根が乾きやすい状態にします。
その大根をロープにかけたり、地面に重ならないように配置したりして天日で乾燥させたものが蘿蔔乾(ルオポーカン)です。
菜脯(ツァイポー)の漬け方は様々
蘿蔔乾(ルオポーカン)を漬け込むときは、塩漬けが基本です。
塩漬けするときには、ごま油やトウガラシなどの香辛料を使うこともあります。
他にも、豆粕と塩と砂糖で漬ける方法もあり、様々な漬け方が存在しています。
菜脯(ツァイポー)とたくあんの違い
菜脯(ツァイポー)とたくあんは、似ている部分もありますが、違う点もあります。
菜脯(ツァイポー)とたくあんの共通点
菜脯(ツァイポー)とたくあんは、ともに大根の漬物であります。
漬け込むときは、塩を主に使う点も同じです。
一番大事な最終的な味や食感もかなり近いと感じる人が多いです。
菜脯(ツァイポー)とたくあんの違う点
菜脯(ツァイポー)とたくあんの一番の違いは、米ぬかを使うかどうかです。
米ぬかを使わない菜脯(ツァイポー)は、たくあんのような独特な臭さが少なくなります。
他にも、菜脯(ツァイポー)は、切り干し大根に塩を擦り込んだものを漬け込むので、10年以上の保存も可能になります。
「黒金」と呼ばれる高級菜脯
菜脯(ツァイポー)は、漬け込む期間が長いほど甘くなると言われています。
また、漬け込む期間が長くなるにつれて、白い大根が黄色く変色し、最終的には黒色に変色します。
(カビが生えているように見えますが、見た目に負けないようにしましょう。)
20年以上かけて漬け込まれた菜脯(ツァイポー)は、1kgあたり2,000円以上で売られることもあり、「黒金」と呼ばれています。

菜脯(ツァイポー)の漬け方
菜脯(ツァイポー)の漬け方は、様々な方法があります。
ここでは1つの方法を紹介します。
菜脯(ツァイポー)の漬け方の手順
(1)〜(5)の手順で行い、10か月以上かけて保存(漬け込み)します。
(1) 大根の下準備
白首大根の皮を剥かずに、茎の部分を切り落とし、4等分に割ります。
(2)大根の天日干し
4等分に割った大根を、風通しの良い天日の元に置いて、乾燥させます。
この時、大根の皮を地面に向けて、大根の芯側を天日に向けて置きましょう。
(3)大根に塩を擦り込む
大根に塩をまんべんなく擦り込んでいきます。
塩を擦り込んだ大根を再び天日干しします。
大根の天日干しと、塩の擦り込みを2週間ほどかけて、毎日行いましょう。
最初の2日は、大根から水分が抜けやすいので、塩を多めに擦り込んでください。
(4)大根のビン詰め
天日干しと、塩の擦り込みを終えた大根を、ビンに詰めます。
ビンに詰める時は、隙間がないように押し込みながら詰めましょう。
(5)密閉・低湿度の場所に保管
ビンにフタをして密閉します。
密閉したビンは湿度の低い場所に保管しておきましょう。
様々な料理に使える菜脯(ツァイポー)
長期間かけて漬け込んだ菜脯(ツァイポー)は、様々な料理に使えます。
刻んだ菜脯(ツァイポー)を卵焼きに使用するのが有名です。
