【健康に良い!】たくあんは栄養が豊富!

「たくあんは発酵食品だから健康に良い」ということを聞いたことありませんか。
でも、イマイチよくわかってなくて、いったい何が健康に良いのかわからない方も少なくないと思います。
この記事では、たくあんに含まれている栄養について、わかりやすく解説しています。
目次
たくあんに含まれている栄養
たくあんに含まれている健康に良い栄養は、大きく2つです。
1.食物繊維

食物繊維は体に良いとご存じの方も多いと思います。
食物繊維の効果について簡単に触れたのち、たくあんとの関係を解説していきます。
食物繊維とは
食物繊維は、人の消化酵素では消化されにくい成分です。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。
多くは植物性や藻類性の食べ物に含まれています。
5大栄養素に次ぐ第6の栄養素とも呼ばれるほど、健康効果が期待されています。
食物繊維の効果
食物繊維の効果は大きく3つあります。
- 整腸効果(便秘の予防など)
- 血糖値上昇の抑制
- 血液中のコレステロール濃度の低下
食物繊維は消化・吸収されずに、小腸を通って大腸まで達する食品成分です。便秘の予防をはじめとする整腸効果だけでなく、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの生理機能が明らかになっています。現在ではほとんどの日本人に不足している食品成分ですので、積極的に摂取することが勧められます。
厚生労働省 e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
食物繊維の種類
食物繊維には大きく2つの種類があります。
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維とは、水に溶ける性質の食物繊維です。
特徴は大きく3つあります。
- 食べすぎを防ぐ。(胃腸内をゆっくり移動する、粘性があります。)
- 食後の血糖値の急上昇を防ぐ。(粘性によって、糖質の吸収をゆるやかにします。)
- 整腸効果がある。(大腸内で分解・発酵されると、ビフィズス菌などが増えて腸内環境が良くなります。)
不溶性食物繊維
不溶性食物繊維とは、水に溶けない性質の食物繊維です。
特徴は大きく3つあります。
- 便通を促進する。(胃や腸で水分を吸収して膨らむ、保水性があります。保水性によって、腸を刺激してぜんどう運動を活発にします。)
- 食べすぎを防ぐ。(繊維状なので、よく噛んで食べるようになります。)
- (水溶性食物繊維よりは低いが)整腸効果がある。(大腸内で分解・発酵されると、ビフィズス菌などが増えて腸内環境が良くなります。)
食物繊維の摂取基準
1日で食物繊維を摂取する量は以下の通りです。
出典は、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」です。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
3歳~5歳 | 8g以上 | 8g以上 |
6歳~7歳 | 10g以上 | 10g以上 |
8歳~9歳 | 11g以上 | 11g以上 |
10歳~11歳 | 13g以上 | 13g以上 |
12歳~14歳 | 17g以上 | 17g以上 |
15歳~17歳 | 19g以上 | 18g以上 |
18歳~64歳 | 21g以上 | 18g以上 |
65歳以上 | 20g以上 | 17g以上 |
一方で、日本人の平均摂取量は15g程度と言われています。
つまり、日本人は食物繊維の摂取量が不足している傾向にあります。。
たくあんに含まれる食物繊維

たくあんに含まれている食物繊維の量は以下の通りです。
出典は、日本食品標準成分表2020年版(八訂)です。
たくあん(干し大根) | たくあん(塩押し大根) | だいこん | |
---|---|---|---|
水溶性食物繊維 | 0.6g | 0.7g | 0.5g |
不溶性食物繊維 | 3.1g | 1.6g | 0.9g |
食物繊維総量 | 3.7g | 2.3g | 1.4g |
干し大根を使ったたくあん一切れを5gとすると、5切れ食べると、約1gの食物繊維を摂取することができます。
2.ビタミンB1

続いてビタミンB1です。
食物繊維と同じ流れで、ビタミンB1の効果に軽く触れたのち、たくあんとの関係を解説していきます。
ビタミンB1とは
ビタミンB1は水溶性のビタミンです。チアミンとも呼ばれています。
1910年に、日本人が米ぬかから発見した成分です。
ビタミンB1の効果
ビタミンB1の効果は大きく3つあります。
- 炭水化物(糖質)の代謝を助け、エネルギーを作る。
- 皮膚や粘膜の健康を維持する。
- 脳神経系統の調整をする。
- 疲労回復に効果がある。
ビタミンB1の摂取基準
1日でビタミンB1を摂取する量は以下の通りです。
出典は、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」です。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
3歳~5歳 | 0.7mg | 0.7mg |
6歳~7歳 | 0.8mg | 0.8mg |
8歳~9歳 | 1.0mg | 0.9mg |
10歳~11歳 | 1.2mg | 1.1mg |
12歳~14歳 | 1.4mg | 1.3mg |
15歳~17歳 | 1.5mg | 1.2mg |
18歳~49歳 | 1.4mg | 1.1mg |
50歳~74歳 | 1.3mg | 1.1mg |
75歳以上 | 1.2mg | 0.9mg |
一方で、2019年の国民健康・栄養調査では、1日あたりの男性の平均摂取量が1.03mg、女性の平均摂取量が0.87mgという結果でした。
食物繊維と同じで、ビタミンB1も不足している傾向にあります。
たくあんに含まれるビタミンB1

たくあんに含まれているビタミンB1の量は以下の通りです。
出典は、日本食品標準成分表2020年版(八訂)です。
たくあん(干し大根) | たくあん(塩押し大根) | だいこん |
---|---|---|
0.21mg | 0.01mg | 0.02mg |
干し大根を使ったたくあん一切れを5gとすると、5切れ食べると、約0.05mgの食物繊維を摂取することができます。
たくあんは、大根をぬか床に漬け込む製法が本来の製法です。
米ぬかを使ったぬか床で漬け込んだたくあんは、豊富にビタミンB1を含んでいます。
(米ぬかは100gあたりビタミンB1を3.12mg含んでいます。)
江戸時代を救ったたくあん
江戸時代、脚気という病気が流行し、1年間に2万人の死者が出たと言われています。
(別名、江戸患いとも言われていました。)
原因は、精米技術が高まってきて、玄米ではなく白米を食べる習慣が増えたためと言われています。
玄米は白米の5倍~6倍程度のビタミンB1が含まれています。
その後、米ぬかで漬け込んだたくあんを食べられる文化が生まれました。
たくあんが食べられるようになると、脚気の流行が終わり、江戸時代を救った食べ物と言われています。
発酵食品のたくあん
たくあんは、発酵食品としても知られています。
発酵する過程で、植物性乳酸菌と呼ばれる分類の乳酸菌が多く含まれるようになることがわかっています。
他にも、干し大根にするために、大根を天日干しする過程で、GABAと呼ばれるアミノ酸が多く含まれるようになるということもわかっています。
GABAに関する記事についてはこちらの記事で解説しています。