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たくあんに使われない青首大根

大根には大きく2つの種類があります。

「青首大根」「白首大根」の2種類です。
(実際は二十日だいこんなど、もっと種類があります。)

一般的に、大根をぬか漬けにするたくあんに使われる大根は、後者の「白首大根」です。

しかし一般的な大根と言えば、「青首大根」です。

そんな青首大根について解説していきます。

青首大根の特徴

青首大根の見た目は、名前の通り首の部分(葉っぱの近く)が青い(緑色)です。

首の部分が青い(緑色)から、青首大根と名付けられています。

その青首大根の特徴は大きく2つあります。

みずみずしくて食べやすい

水分が多く柔らかく、白首大根と比較すると甘さがあり、食べやすいことが特徴です。

病気に強く、栽培がしやすい

害虫などの影響も受けにくく、病気にも比較的なりにくいので安定的に栽培することができます。
そして、地表から大きくせりあがっているので、収穫がしやすいです。


以上の2点から、食べる人にとっても、栽培する人にとっても、嬉しい特徴があるのが青首大根です。

ちなみに、白首大根は野菜として食べると、甘くなくて固い大根なので、料理に使いにくいのが特徴です。
そのことから、食べる人が減少し、青首大根が主流になったという背景があります。


首の部分が青い理由

首の部分が緑色になる理由は、日光の影響です。

青首大根は、成長すると根の上の胚軸が地表から大きくせりあがります。

その部分に日光が当たり、葉緑体ができるので青く(緑色)になります




青首大根の食べ方

青首大根は、表面の色が違うように部位によって味が違います

葉に近い「上の部分」、根に近い「下の部分」、その間の「真ん中の部分」に分けます。

「上の部分」の食べ方

3つの部分の中で一番甘味が含まれる部分です。

大根おろしに使ったり、サラダに使うとよりおいしく召し上がることができます。


「下の部分」の食べ方

3つの部分の中で一番辛味成分が含まれる部分です。

みそ汁の具材として使ったり、ぬか漬けなどの漬物にして召し上がるのをおすすめします。


「真ん中の部分」の食べ方

真ん中の部分は、甘味と辛味成分が良いバランスになっている部分です。

煮物やおでんにすると、味が良くしみ込んでおいしく食べられます。



青首大根がたくあんに使われない理由

ここまで見ると、青首大根は良い面が多くて、白首大根に出番はないのではないかと感じる方も多いのではないでしょうか。

青首大根がたくあんに使われない理由は大きく3つあります。

1.水分が多いので長期間保存できない

前述のとおり、青首大根は「水分が多く、甘い」という点が野菜として召し上がるのに向いています。

一方で、たくあんは大根の水分を抜いて、水分が抜けた状態でぬか床に漬け込みます。

そのため、水分が多い青首大根は、たくあんになるまでに必要な水分が抜けきらず長期間保存することができません

2.繊維が少ないので、たくあんらしい歯ごたえが生まれない

青首大根は、根の方は繊維が多いのですが、白首大根と比べると全体的に繊維が少ないです。

繊維が少ないと柔らかくなり食べやすいのですが、たくあんとしては繊維が少ないのはマイナスポイントです。

3.辛味成分が少ないので、発酵した時のうま味が少ない。

たくあんが黄色いのは、大根に含まれる辛味成分が酵素の作用の影響です。

【なぜ?】たくあんが黄色い理由


また発酵するには、微生物が作用するために長い時間が必要です。青首大根は、発酵する前に腐ってしまうことが多いのでうま味のあるたくあんを作るのに向いていないのです。

うま味のあるたくあんは、少なくとも半年以上は漬け込む必要があるので、水分が比較的少ない白首大根が向いています。


以上の3点が、青首大根がたくあんに使われない大きな理由です。

たくあんのおいしさは、発酵の度合いに大きく影響されるので、水分が大きく腐りやすい青首大根は向いていないのです。

(おうちでたくあんを漬けられる際に、青首大根を使用して腐ってしまったという失敗談をよく耳にします。)



白首大根を入手することは、簡単ではないですが、機会があればぜひ白首大根でたくあんを作ってみてください。

白首大根については、下の記事で解説しています。

たくあんに使われる白首大根