【保存版】福神漬けとは?【簡単なレシピも解説】
カレーのお供と言えば、福神漬けが思いつくのではないでしょうか。
この記事では、ご家庭でできる、普通とは少し違う簡単な福神漬けのレシピや、福神漬けの栄養や名前の由来などを解説しています。
目次
用意する材料 (2人前)
手順
食材を準備します。
れんこん、にんじん、大根の皮を剥いて、薄くいちょう切りにします。
きゅうりは薄い輪切りにします。
乾燥昆布をキッチンバサミで細切りにします。
野菜、乾燥昆布をボウルに入れます。
食塩を入れて揉みます。
砂糖、酢、しょうゆ、生姜を加えて混ぜます。
ラップをかけて、半日から1日の間、冷蔵庫で寝かせます。
盛りつけて完成です。
材料
手順
食材を準備します。
れんこん、にんじん、大根の皮を剥いて、薄くいちょう切りにします。
きゅうりは薄い輪切りにします。
乾燥昆布をキッチンバサミで細切りにします。
野菜、乾燥昆布をボウルに入れます。
食塩を入れて揉みます。
砂糖、酢、しょうゆ、生姜を加えて混ぜます。
ラップをかけて、半日から1日の間、冷蔵庫で寝かせます。
盛りつけて完成です。
福神漬けとは
福神漬けとは、7種類の野菜を塩漬けし、醤油や砂糖、みりんで作った調味液に漬けた発酵の必要のない漬物です。(なので上記のレシピは厳密には福神漬けではありません。)市販品の中には醤油液の代わりにアミノ酸液を使った福神漬けもありますが、醤油漬けと比べると味は劣ります。7種類の野菜とは、きゅうり、れんこん、大根、茄子、ナタマメ、シソの実、シイタケ又は白ゴマ。「ふくじんづけ」と呼ばれることが多いですが、「ふくしんづけ」と呼ぶ地域もあります。
福神漬けは、程よい甘みと酸味、ポリポリとした歯ごたえが特徴的で、カレーの薬味として欠かせない存在です。甘辛い醤油味が病みつきになり、大盛りでのせる人もいるのではないでしょうか?非発酵型の漬物で酸味があまり強くないので、酸っぱい漬物が苦手な人にもおすすめです。カレーの他にも、チャーハンやオムライス、ピラフな焼きそばとの相性も抜群です。
福神漬けが一般的に知れ渡るようになったのは、日清・日露戦争の携帯食として用いられたことがきっかけです。
また明治時代には、外国航路客船で初めてカレーに福神漬けが添えられました。当時インドカレーにはチャツネが定番でしたが、福神漬けとカレーの絶妙な相性が発見されることになりました。
福神漬けの名前の由来
7月29日が「福神漬けの日」であることをご存じでしょうか?7月29日が「福神漬けの日」となった理由は、福神漬けの名前の由来が七福神(7しち、29ふく)だからです。
福神漬けの名前の由来が七福神(7しち、29ふく)である理由は、明治時代初頭(明治10年頃)にさかのぼります。福神漬けの発明者は、東京・上野の漬物店「山田屋(現在の酒悦)」の15代目店主・野田清右衛門(せいえもん)だと言われています。西日墓里の浄光寺に『福神漬発明者野田清右衛門表硝彰碑』が残っていることからも、清右衛門が福神漬けを発明した可能性は高いでしょう。
清右衛門は、10年の長い期間をかけて、従来の塩漬けではない醤油漬けの福神漬けの開発に成功。茶店で販売すると評判になり、日清・日露の戦いで兵隊さんの携帯食に使われて全国に広まりました。
当時の人気作家・梅亭金鵞(ばいていきんが)が「ご飯のお供にこの漬物さえあれば他はいらない。食費が抑えられてお金を溜められる(=まるで七福神も一緒に漬けられているかのような幸福な漬物)」と言って、福神漬けと名付けました。
福神漬けが7種類の野菜を使うことと、店が上野の不忍池(しのばずのいけ)の近くにあることから、弁財天様(七福神の一人)にちなんで福神漬けと名付けたという説もあります。
いずれにせよ、福神漬けは昔から「縁起のいい漬物」として重宝されてきたのです。
福神漬けの成り立ち
現在主流の福神漬けには、赤色とオレンジ色、茶色の3種類があります。
本来の福神漬けは、無添加・無着色の茶色でした。
福神漬けが人工着色料で赤く色づけされた理由は、カレーが日本に持ち込まれた際、インドの調味料である赤いチャツネの代用品として添えられたからという説が有力です。茶色のカレーに対して赤色の福神漬けが見栄えがいいから赤色にしたという説もあります。確かに、着色料うんぬんを抜きにすると、赤い福神漬けはカレーとの対比が美しく食欲をそそります。また、甘口の福神漬けが広まった理由は、昭和初期に軍隊で出されていた缶詰の福神漬けが砂糖による甘い味付けだったからです。
その後、無添加・無着色の茶色の福神漬けも復活しました。味については、赤い福神漬けも茶色い福神漬けもほぼ同じ味ですが、赤い方がやや酸味が強く味が濃い場合もあります。
茶色い福神漬けは、身体に優しい食品を好む人に人気です。また、しその天然色素を使った赤い福神漬けも好まれています。
福神漬けがカレーに使われる理由
福神漬けは、現在ではカレーに欠かせない漬物となりました。
では、福神漬けがカレーに使われるようになった理由とは何でしょうか?
帝国ホテルや資生堂パーラーで使われたのが最初という説もありますが、日本郵船のヨーロッパ航路の船の食堂で出されたのが最初だったという説が有力です。当時インドカレーと言えば※チャツネが定番でしたが、一等船の客のカレーに福神漬けを添えたところ大好評。(二等・三等船の客にはたくあんでした)福神漬けの甘さがカレーの辛味をマイルドにし、漬けられた野菜の歯ごたえがカレーのアクセントになると絶賛されたのです。
これ以降、カレーと福神漬けの組み合わせは定着しました。
※チャツネとは、インド料理に欠かせない調味料で、香辛料を入れた野菜や果物を煮込んだり漬けたりして作ります。使う材料は様々で、マンゴーチャツネやバナナチャツネなどがあります。
福神漬けに含まれている栄養について
福神漬けは、七種類の野菜から成っており、七福神にちなんでその名が付けられました。七種の基本野菜として、大根、なす、なた豆、れんこん、生姜、しその実、たけのこなどが使われています。(他にしいたけやごま、唐辛子などを入れることもあり、このうちの5種類以上の食材を使ったものが福神漬けです。)
それぞれの野菜を細かく刻み、酢、しょうゆ、砂糖、みりんなどで調味液に漬けたものが福神漬けです。漬ける前にさっと茹でて塩抜きすることで、生野菜から水分を抜き出し、その過程で味をしみ込ませていきます。
カロリー
福神漬けの気になるカロリーは、100gあたり137kcalです。通常漬物というと、低糖質、ローカロリーという印象が強いですが、福神漬けの場合はカロリーや糖質量は高めです。その理由は、調味液にみりんや砂糖を多く使用するためで、しょうゆの使用量も多いので、塩分量も高いです。そのため、福神漬けは塩分過多、糖質過多になりやすいので、摂取量に気を付ける必要があります。
栄養素
主に含まれる栄養素は、糖質29.4g、たんぱく質27g、脂質0.1g、食物繊維3.9g、食塩相当量5.1g、ナトリウム2000mg、モリブデン5.1μg、ビタミンK7μg、ビタミンB₂0.1g、です。ビタミンCを豊富に含む大根を原材料にしていますが、茹でて水分を抜く過程で、水溶性であるビタミンCは流れ出てしまうため、福神漬けには含まれていません。
福神漬けが健康に良い理由
福神漬けのような漬物が健康に良いとされる理由は、野菜本来の持っている栄養成分を壊さずに効率よく摂取できるからです。野菜に含まれる多くのビタミンやミネラルなどの栄養素は、熱に弱いものが多く、加熱によって栄養価が半減してしまいます。加熱せずに生で食べられる漬物は、含まれる栄養素をまるごと摂取することができるというわけです。
また、生野菜はそのままだと食べにくいものでも、漬物にすれば食べやすくなり、歯ごたえがあるので、腹持ちが良いのが利点です。食物繊維を多く含んでいるため、腸内環境を整え、便通を改善する働きもあります。ただし、たくさん食べれば、塩分や糖質も摂りすぎてしまうので、注意が必要です。
さらに、福神漬けの原材料にあるなた豆は、健康に良いと最近注目されている食材です。福神漬けのなた豆は、豆の部分ではなく、さやの部分が使われています。
古くから漢方や生薬、薬膳料理の材料として使用されているなた豆は、特有成分であるカナバリン、コンカナバリンAを含有しています。これらの成分には、抗炎症作用や排膿作用、滋養強壮作用、腎機能や歯周病、血流の改善、免疫力を高めてアトピーやアレルギー症状を緩和するなど、さまざまな健康効果があるとされているのです。
その他に福神漬けに含まれる栄養素に特筆すべきものはありません。唯一、ミネラルの一種であるモリブデンを多めに含んでいるくらいです。モリブデンには、頻尿や頭痛を防ぐ効果が期待できます。ただし、健康に必要な量は少量です。白米からも必要量は摂れるため、不足する心配はありません。
福神漬けを食べる際に注意するポイント
濃い目に調味された福神漬けは、食欲を増進させます。福神漬け自体がカロリーも糖質量も多い食品のため、糖質過多やカロリーオーバーも気になるところです。また、カレーやご飯のお供として出される福神漬けは、ついご飯が進んでしまいます。ご飯を食べ過ぎれば、糖質やカロリーの摂りすぎになる場合があり、太る原因にもなるのです。福神漬けの食べる量だけでなく、福神漬けと一緒に食べるご飯やおかずの量にも気を付けなくてはなりません。
さらに、ナトリウムを多く含んでおり、食塩相当量が高いため、食べ過ぎれば塩分過多となり、高血圧やむくみに繋がります。生活習慣病の予防のためにも、塩分量の多い福神漬けなどの漬物は食べ過ぎないように気をつけましょう。
福神漬けの特徴である鮮やかな赤色ですが、市販の商品によっては、合成着色料や添加物が多量に使われている場合があります。福神漬けには、赤色だけでなく、黄色や茶色などがありますが、本来着色しなければ、茶色や黒っぽい色をしています。着色料を使って色を着けることで、見た目に食べやすくしているのです。
付け合わせといっても、できるだけ安全なものを口にしたいものです。スーパーなどで福神漬けを購入するなら、パッケージの表示内容をよく確認して、無添加のものや植物由来の天然着色料を使ったものを選ぶようにすると良いでしょう。(クチナシ色素、パプリカ色素、赤ダイコン色素は植物由来の天然着色料になります。)
福神漬けを食べる際には、食べ過ぎによる塩分過多、糖質過多に気をつけ、添加物の有無や着色料の内容に注意して購入することをおすすめします。